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部屋を借りるには、入居者の信用のみで契約を結ぶことはできません。
家賃の滞納や物件の破損等のリスクに備えるため、何らかの保証を担保することが求められます。

これまでは友人知人や肉親、親せきなど連帯保証人を立てるのが一般的でしたが、実際には誰でも保証人を立てれるとは限りません。

家賃保証会社を利用することで保証人のハードルは低くなります。

賃貸保証は保証会社が提供するサービスなります。契約プランによって保証内容は異なるものの、主な項目には次のようなものが挙げられます。
・家賃
・管理費、共益費、駐車場代
・更新料、原状回復の費用
・違約金や損害金
・裁判費用

つまり、賃料など支払うべき料金を払わなかった場合や、修繕費用（原状回復費等）等が発生した場合に、入居者に代わり支払いを担保する仕組みが賃貸保証会社です。

保証会社の最大のメリットと言えば、連帯保証人を立てられない人でも賃貸物件を借りられることに尽きます。従来は、保証人がいないため部屋を借りられずホームレス生活を余儀なくされるといった話も聞きました。
近年は賃貸保証会社の仕組みによって、敷金を担保として多く設定する必要性も減ったため、結果的に敷金負担が少なくなり、以前より初期費用が抑えられるようになりました。
※ただし保証会社に支払う料金が発生します。

一方、大家さんにとっても、個人の連帯保証人より保証会社のほうが安心できます。何かあった場合、連帯保証人に連絡がつかなければ意味がありませんが、法人として運営されている保証会社であればまずそのような事態にはならないからです。

賃貸契約に当たり保証会社を利用するには、審査に通る必要があります。審査は不動産会社を通して行われるため、審査に通るためのアドバイスを不動産会社の担当者に相談するといいでしょう。

審査は書面により行われます。求められる主な書類は「身分証明書」「在職証明書」「源泉徴収票（収入を証明する書類）」になります。
審査項目に以下が挙げられます。

・収入
・職種
・雇用形態
・勤続年数
・年齢
・個人信用情報
・対象の物件情報

収入や職種などは不動産会社や物件オーナーにも開示する情報になりますが、「個人信用情報」は保証会社の内部で確認する情報になります。
一言でいえばカードローンや借金の有無と言った情報になりますが、保証会社がどこまで把握できるかについては開示されません。
複数会社にカードローンがある場合は「借金多数あり」と判断されるかもしれません。不安な場合はローンを一社にまとめるといった対策が必要になるでしょう。

「対象の物件情報」は収入に対する家賃比重を確認するのに必要な情報です。
目安として、家賃は手取り収入の 1/3 ～ 1/4 程度になりますが、この判断も賃貸保証会社により変わってくると言われています。

たとえ１カ月でも家賃を滞納してしまった場合、支払いの督促が行われますが、オーナーに対しては保証会社が家賃を支払います。つまり保証会社が滞納分を「立て替える」ことになります。
滞納した状態が継続するなど、状況が悪化した場合は内容証明郵便で契約解除の予告状が送付される事になります。
さらに支払いの意思が認められない場合は契約解除の手続きが進められ、法令に基づいた部屋の明け渡しを求められます。
この時点で、すでに未払い料金の支払い先は部屋のオーナーや不動産会社ではなく、賃貸保証会社となっており、裁判を通じて保証会社に料金を支払っていくことになります。

滞納履歴はデータとして保証会社に残ります。滞納履歴によってブラックリスト登録された場合には、今後の賃貸契約の際に保証会社の審査に通りにくくなります。
保証会社は横のつながりがあるため、くれぐれも支払いの遅れが発生しないよう、十分に気を付けましょう。